<関連意匠制度とは>
関連意匠制度とは、一つの
コンセプトから創作された複数のバリエーションの意匠について保護を受けられる制度です。
<原則は・・・一意匠しか登録できない>
意匠法では、複数の類似する意匠については、最先の出願しか登録を受けることができません(先願主義)。
同一・類似の意匠について2以上の独占的権利(意匠権)の併存を認めるわけには
いかないからです。これは出願人が同一であっても適用されます。
しかし、これでは同一人によるバリエーションの意匠を十分に保護するこ
とができなくなります。
<制度利用の効果>
そこで、同一人による複数の類似する意匠については、登録を認めることにしました。
この制度を利用することにより、一のコンセプトから創作したバリエーションの意匠群について
登録を受けることができます。
また、関連意匠も本意匠も同等の効力を有するため、下図のように保護される範囲も
広くなります。
* 意匠法では、登録意匠と同一の意匠だけでなく、登録意匠に類似する意匠を
実施した第三者に対しても差止などの権利行使ができます。
<要件と手続き>
類似する複数の意匠について意匠登録を受けようとする場合そのうちの一つを
本意匠とし、これと類似する他の意匠を関連意匠として出願します。
したがって、関連意匠は、すべて本意匠と類似していなければならず、関連意匠
にのみ類似する意匠については、意匠登録を受けることができません。
関連意匠の出願は、本意匠の出願の日から本意匠の登録公報発行の前日までの間にする
ことができます。このため、本意匠が登録査定を受けたことを見たうえで、これと
類似する意匠を関連意匠として追加的に出願することができます。
<移転の制限>
他人に意匠権を譲渡したり、相続や会社の合併などで意匠権が移転する場合は、
関連意匠として登録された意匠権は、本意匠とともに移転しなければなりません。
また、本意匠が20年間の存続期間を満了した場合には、関連意匠も同時に消滅します
(専用実施権を設定する場合も、本意匠と関連意匠は同時に、同一人に対して設定しなければなりません)。
ただし、本意匠の年次登録料を納めなかったり、本意匠の意匠権が無効審判に
よって無効にされて消滅した場合には、関連意匠の意匠権は消滅しません。
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